今月はアシュレの月です。アシュレとは、ノアの箱舟が長い洪水の末、トルコ東部のアララット山に無事到着した際、喜びの宴のために舟に残ったわずかな食糧をすべて煮詰めて作った伝説のデザートのことです。このアシュレは特にクルバンバイラムの翌月、ヒジュラ暦(太陰暦またはイスラム暦)で言う1月(ムハッラム)に食べるものとして伝えられおり、今月がそのアシュレの月にあたるのです。
当サイトのコンテンツ内で作り方の例が記載されていますが、これはほんの一例で、アシュレは基本的には何を入れても良いため、家庭の味、作る人の好み、その時に家にある材料により、多種多彩の味があるのです。アシュレは各家庭でたっぷり作られ、それを知人や近所の人達にお裾分けするのが慣わしのため、我が家にもここ数日で3件のアシュレが運ばれてきました。それぞれが異なった味で中身も豊富、とてもおいしく食べさせていただきました。
アシュレは出来立てのアツアツを食べてもおいしいのですが、一般には冷やしてから食べる方が好まれているようです。アシュレには穀物が沢山入り、ゆっくりじっくり煮込まれているため、冷めるとおかゆ状態でドロリとした状態になっています。スプーンですくい上げると中からいろいろなものが登場するので、何が入っているのかな?と確認しながら宝捜しの気分で楽しみながら食べることができます。味に関しては(こんなことを書くと怒られるかもしれませんが、、、)、簡単に言うとミューズリーにもっと沢山の材料を入れ甘く煮込んだようなものです。お皿に盛ってから最後にシナモンを振り掛けるため、シナモンのほのかな香りと共に味わえます。
スーパーなどではインスタントでできるアシュレの素のようなもの(ちょうどインスタントスープの素のような状態)も販売されており、鍋に袋の中身をあけて水を加えて煮込むだけ、というとても簡単で手軽にいつでも家庭で作れるようになっていますが、やはり手作りの味はインスタントのものとは比べ物になりません。
市によっては、貧困者の施設や親のない子供達の施設などへ配給し、アシュレの味を分かち合います。もちろんアシュレは一年中いつ食べても良いデザートなのですが、この期間はニュースや新聞、もちろんデザート菓子店などでもアシュレが頻繁に登場し、一年で最もアシュレを身近に感じられる季節となります。