トルコの絨毯の歴史
トルコの絨毯の歴史は古く中央アジアの遊牧民生活の時代に遡ります。持ち運び可能なキリム(Kilim)と呼ばれる簡素な敷物がテント同様、移転を繰り返す遊牧生活に欠かせない家財道具として使用されていました。その後、アナトリア(小アジア)に定住し始めるようになると、込み入ったデザイン(主に幾何学模様)のものが織られるようになりました。
アッシリアやバビロニアの時代にも敷物として織物が使用されていましたが、結び目のある織物(現在のトルコ絨毯のもと)の技術は11世紀のセルジュク人達が最初に作り出したと言われています。トルコでは世界で唯一結び目を2つ作るダブルノットと呼ばれる織り方を使用しているため、その強度と耐久性は最良と言われています。又、デザインや色は各種族や地域により独自の特徴を持ちます。幾何学模様から花や植物、動物、円形模様等さまざまなデザインの絨毯が作り出され、それまでの家財道具から部屋のデコレーションのひとつとして美しさを競うものが織られるようになりました。又、シルクロードからシルクが伝わり絨毯の芸術性を一層高めたのです。
ヘレケ絨毯の歴史
ヘレケはイスタンブールの60km南東にある小さな村です。ヘレケでは古くから手織りの絨毯が織られていましたが、ヘレケが現在の地位を得たのは1843年にオスマントルコ帝国のスルタン、アブドゥルメジド(Abdulmecid)がヘレケを訪れた際に絨毯を献納したことがきっかけとなりました。スルタン アブドゥルメジドはヘレケの人々の織った素晴らしい作品に大変感動し、早速ヘレケに工場を作り宮廷のためだけに室内装飾品やカーテン等の織物を作らせました。
時を同じくしてイスタンブールでは新たにドルマバフチェ(Dolmabahce)宮殿の建設が行われており、スルタン アブドゥルメジドはドルマバフチェ宮殿を世界で最も豪華な宮殿にするために世界で真似のできない完璧な絨毯を飾ろうと考え、ドルマバフチェ宮殿の地下に工場を作りヘレケの職人を呼び寄せて絨毯作成に専念させました。そして多くの素晴らしい絨毯やマットを完成させ宮殿を見事に飾りあげたのです。
トルコを代表するヘレケ絨毯の美しさは世界でも大変有名です。トルコの伝統的芸術作品としてヘレケのシルク製絨毯は過去に日本を始めとするロシア、イギリス他の多くのロイヤルファミリーやアメリカ、ドイツ他の大統領等へ贈呈されています。現在ヘレケ絨毯は、トプカプ宮殿やドルマバフチェ宮殿や博物館等に多く展示されています。