薔薇(ばら) / Gul(ギュル)
バラは花の女王と言われるほど魅力のある花として知られています。古代よりバラに関する書物が沢山残されていますが、トルコにおけるバラの歴史は非常に新しいものです。
トルコにバラが持ち込まれたのは、1870年代。ブルガリアからの移民者がアナトリア(小アジア)の西部地方であるブルサ、デニズリ、マニサ周辺に苗を植えたのが始まりと言われています。
現在トルコのバラの産地と言えばウスパルタ(Isparta)として世界的に知られています。ウスパルタでバラの栽培が行われるようになったのは1888年のことでした。
バラの街 ウスパルタ
ウスパルタ出身のミュフトゥザデ イスマイル エフェンディ(Muftuzade Ismail Efendi)が、当時何の産物もないウスパルタ平野に適した種類の樹木を栽培するために周辺地域に視察に出かけたのです。そのときブルドゥルやデニズリに植えられていたバラにヒントを得てすぐにウスパルタでの栽培を決意。その後の絶え間ない研究と努力によってバラは美しく成長。ウスパルタは見事にバラ庭園に変わったのでした。
1992年には最初のバラ油(Gul Yagi)を抽出することに成功。そして彼はウスパルタの人々にバラ栽培を呼びかけ助言を与えながら、ウスパルタをバラの街に作り上げました。
バラの花の出荷だけでなく、バラ油(ローズオイル)、バラ水 (ローズウォーター)という2種類の商品の販売を開始。その後、手工業として地道な活動をする中、1930年3月6日にアタチュルクがこの街を訪問した際、この素晴らしい商業を大規模化するよう忠告したことから、経済省により1935年にバラ油工場が建てられました。1954年にはバラ生産協同組合(Gulbirlik)が創設され、品質管理から販売まで責任を持って総括管理することにより高品質を誇るバラ産業を確立。バラを利用した香水、化粧品、食料品等約40種類にも及ぶバラ製品が作られるようになり、フランスを始めとするヨーロッパ各地はもとより、米国、日本、サウジアラビア等世界への輸出も盛んになり「バラ=ウスパルタ」の知名度が急激に上がりました。
バラ油 / ローズオイル・ローズオットー / Gul Yagi
エッセンシャルオイルの中でもバラ油は女王と呼ばれる存在です。その中でも最も高級といわれるローズオットーが、ここウスパルタで製造されています。ローズオットーは元来ブルガリアのものが有名ですが、第2次世界大戦以降ブルガリアでの生産は激減しており、現在では世界のローズオットーの多くがウスパルタで生産されているのです。もちろん品質はブルガリア産のものに全く劣らない高品質を保持しています。
ローズオットーはRosa damascena/Damask Roseと呼ばれるピンク色のバラの花から抽出されます。これは化粧品や香水産業において、重要かつ高級な原材料として知られています。
製造法
毎年5〜6月になると早朝日の出前から花摘み作業が開始され11時までには作業を終えます。摘みたての約500kgの花びらに対し500リットルの蒸留水を蒸留器に入れて水蒸気蒸留法により70〜80分間圧力をかけ茶色〜濃い緑色をした抽出液を集めます。次に先ほどの蒸留水をまた別の蒸留器で約30分間圧力をかけ2度めの蒸留を行います。このとき黄色い色をした抽出液が集められます。最後に1度めと2度めに採られた抽出液を混ぜ合わせ、2〜3週間寝かせるとローズオットーが完成です。
高品質の秘密
バラ生産協同組合(Gulbirlik)の規定により、バラ油生産のための設備は1年で6〜8週間のみ使用され、バラ油以外の蒸留には決して使用してはいけないとい定められているのです。従って純粋なローズオットーが生産されるということなのです。
ローズオットーの特徴
精神面すべてにおける癒しの力を持ち、感情を和らげます。また血液循環を活発にし、内分泌系を調整するとともに、月経不順や月経痛といった女性特有の不調にも役立ちます。美容面でも年齢や肌タイプを問わず肌のきめを整え、張りを持たせると同時んい肌を柔らかく滑らかに保つ効果があります。
バラ水 / ローズウォーター / Gulsuyu
バラ油を抽出する際のバラ油の成分を含んだ水を濾過したもの。
バラ水の特徴
肌をひきしめると同時にうるおいを与えます。日焼けした肌や乾燥した肌にも効果があります。清浄作用もあり清潔に保ちます。
バラ水の使用法
ローションとして顔や身体全体のお手入れに。デザート(ギュルラッチ、アシュレ、ロクム等)の香り付けに。
バラを利用した製品
化粧品、香水、石鹸、ばらジャム等
*ひとりごと第72回「トルコ製の愛用化粧品」(2006年5月22日)もぜひご一読ください。
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